英検準1級の合格で鍵となってくるのが「リーディング」のセクションです。準1級のリーディングは、2級のリーディング問題と比べて格段に難易度が高くなります。何も対策せずに突破するのは難しいと考えた方がよいでしょう。準1級のリーディングで高得点を確保するには、準1級のリーディングに合わせた対策が必要となります。
本記事では英検準1級のリーディングの得点力をアップするために、準1級の各Partの特徴や勉強方法、おすすめ教材について詳しく解説していきます。準1級に合格したい方、準1級の問題に苦戦されている方は、ぜひ最後までご覧になってください。
Contents
英検準1級のリーディングは、Part1~Part3で構成されています。各Partの解答方法はすべて4肢選択形式です。扱われる題材・話題は下記になります。
場面・状況:家庭、学校、職場、地域(各種店舗・公共施設を含む)、電話、アナウンス、講義など
話題:社会生活一般、芸術、文化、歴史、教育、科学、自然・環境、医療、テクノロジー、ビジネス、政治など
問題の難易度としては「大学中級程度」が目安となります。大学入試よりも難しい文法問題・読解問題が出題されるケースも多いので、合格するためには徹底した準1級対策が不可欠です。
次に各Partの特徴を確認していきましょう。
Part1は各設問で英文が2文ほどあり、空所部分に適切な語句を選択する問題です。全体の問題数は25問になります。
空所の前後や文章の関係性から適切な語句を選択していきます。高い語彙力が要求される問題です。選択肢の語句について意味を正確に把握しておくことが不可欠になります。
英検準2級~2級レベルであれば消去法で選択肢を絞ることもある程度可能ですが、準1級レベルの語句になると、あからさまに消去できる(意味が簡単に把握できる)レベルの語句は少数です。このため、語句の知識を漏れなく増やしておかねばなりません。
Part2では、3パラグラフほどの長文が記載され、長文中に3つの空所が設けられています。空所に入る適切な語句・英文を選択する形式です。基本的に空所の前後の文を確認することで選択するべき語句・英文は絞れますが、場合によってはパラグラフ全体を踏まえて語句・英文を選択する必要もあります。
長文全体を読んで答えるというよりも、1パラグラフごとに空所を埋めていく方が効率的に問題を解くことができるでしょう。
Part3では、3パラグラフほどの長文が出題され、長文の内容に関する質問に答えていきます。基本的には、1パラグラフの内容に関する設問が1つずつ出題される形です。
こちらも、1つのパラグラフを読むごとに設問に答える方が効率よく解答できます。長文の内容は学術、ビジネス、環境、医療など様々なテーマから出題されます。使用されている語句・表現も難易度が高いです。
内容を正確に読み取るためには、語句・表現の知識を拡充しつつ、読解練習も並行して進めることが必要です。
準1級のリーディングにおいて、試験当日に使えるテクニックとして下記の2つが挙げられます。
① 「長文の内容一致→長文の空欄補充→短文の空欄補充」の順番で解く
② 読解問題は選択肢の英文を先に確認する
英検準1級のリーディングは難易度が高い点に加えて、問題のボリュームも多いです。このため、可能な限り効率よく問題を解くことが重要になります。効率よく問題を解くための方法として、「長文の内容一致→長文の空欄補充→短文の空欄補充」の順番で解く方法が挙げられます。
長文の内容一致問題は、「長文を読む」「設問を読んで解答する」作業が必要になるため、時間を要しやすいです。時間がかかる問題を先に解くことで、その後の時間管理を調整しやすくなります。長文・短文の空欄補充に関しては、空所の前後を読むのみで解答できるケースも少なくありません。試験時間が少なくなった状態でも、空欄補充問題の方が対処しやすいといえるでしょう。
ただし、人によっては先に空所問題を片づけたい方もいると思います。空所問題から解いた方が全体的に速く問題を解ける場合は、無理に長文読解から進める必要はありません。あくまでも自分にとってベストな解答順序を選択してください。
読解問題は選択肢の英文を先に確認しておくのがおすすめです。選択肢の英文を先に確認しておくと、英文の大まかな内容・話題を把握できます。このため、前情報なしで長文を読むよりも、長文の内容を把握しやすいです。
また問われている内容を確認して文章を読めば、解答の根拠部分を意識して読解を進められます。
準1級の試験中にやってはいけない事として、下記の2点が挙げられます。
・ 空欄補充の問題で悩みすぎないこと
・感覚で読解問題を解かないこと
まずは空欄補充の問題で悩みすぎないよう注意しましょう。
空欄補充の問題で選択肢の語句の意味が分からない場合は、時間をかけて考えても正答を導ける可能性が低いです。
語句の意味が分からない場合は、思い切って次の問題に進むことも解答時間の確保において重要になります。適当に解いてよいという訳ではありませんが、時間をかけて悩みすぎないようにしてください。空所問題をスムーズに解くためにも、語句・表現の知識拡充は必須といえるでしょう。
長文読解の問題を感覚で解くこともNGです。
何となく文章を読んで、何となく解答を選んでしまっては、正答率は安定しません。読解問題を解く際は、「解答の根拠」を英文中から必ず探し出してください。
読解問題においては、解答の根拠部分が英文中に必ず存在します。1パラグラフの中から解答の根拠部分を探した上で、設問の解答を選択しましょう。
次に準1級リーディングのおすすめ学習法を紹介していきます。今回紹介するおすすめ学習法は下記の5つです。
① 単語の反復学習
② 英語長文の多読・速読
③ 英文解釈
④ 過去問演習
準1級合格の要になるのが、単語の反復学習です。準1級の難易度の高さは、語彙レベルが英検2級よりも大幅に高くなっている点が要因になっています。単語の知識量が準1級の合格を左右するといってよいでしょう。
単語の知識を増やすためには、反復学習が第一です。単語をただ眺めるのみではなかなか記憶に定着しづらいので、音読を行ったり音声CDを聞くなど五感をフル活用して単語を覚えていきましょう。
準1級に対応した単語帳を1冊完璧に仕上げることを意識してください。おすすめの単語帳に関しては、後ほど詳しく紹介します。
英語長文の多読・速読も準1級の合格に必要不可欠です。準1級では様々な分野の長文が出題されます。日常から長文を読むことに慣れていれば、準1級の長文も無理なく読みこなせるでしょう。
また速読の練習を積んでおけば、短時間で長文を読み終えることができます。最初は多読に重点を置いて長文に慣れていき、長文を無理なく読み取れるようになってきたら速読を意識して読んでみてください。無理に速読すると、英文の内容を把握できない可能性が高いです。
自分のペースで問題ないので、まずは内容理解から進めて、徐々に速読の練習を加えていきましょう。
長文の題材としては準1級の教本に掲載されている長文をベースにして、読み込む量を増やすためにオプションとして英語のメディア記事・ニュース記事などを活用するのがおすすめです。準1級レベルを考慮すると、BBCやCNNのニュース記事を辞書なしで読めるレベルまでには持っていきたいところです。
準1級の長文内容を正確に把握する上で重要なのが「英文解釈」です。英文解釈とは、英文の構造(主語・動詞・目的語・修飾語・節・句など)を把握することを指します。
英検2級の長文は、正直なところ英文解釈がおろそかな状態でも単語の知識のみで長文内容を把握できるケースが多いです。これに対して、準1級の長文は英文解釈ができないと英文の内容を正確に読み取れない可能性があります。
英文解釈の練習を行う際は、高校生が受験勉強などで使用するような英文解釈の参考書を利用するのがおすすめです。受験レベルの参考書であれば、英文解釈で必要となる知識や文法の解説が詳しく掲載されています。単語学習・長文読解と並行して、英文解釈の練習を積み上げていきましょう。
※おすすめの参考書は後ほど詳しく紹介します。
単語の知識拡充、長文の読解、英文解釈の練習を積み上げたら、準1級の過去問演習を行いましょう。
過去問演習を行うことで、準1級の問題形式・出題内容・難易度を直に把握できます。また積み上げた知識がどこまで通用するか確認することも可能です。空所補充や内容把握の問題で正答数が伸びない場合は、単語学習・読解練習に戻って学習量をさらに積み上げましょう。
実際に時間を図って、タイムマネジメントの練習も合わせて行ってください。試験時間内に解き終えるのは勿論のこと、解答内容の確認まで時間を確保できるよう問題を解き進めていきましょう。
最後に準1級リーディングのおすすめ教材を紹介していきます。今回紹介するおすすめ教材は下記の通りです。
・『英検準1級 でる順パス単』
・『英検準1級 出る順で最短合格!語彙問題完全制覇』
・『世界一わかりやすい英検準1級過去問集』
・『肘井学の読解のための英文法が面白いほどわかる本』
準1級リーディングの単語学習でおすすめの単語帳は『英検準1級 でる順パス単』になります。
こちらの単語帳では、準1級で過去に出題・使用された頻度準に単語が掲載されています。準1級に特化した単語帳となっており、合格に必要な語彙力を効率よく鍛えることが可能です。
収録されている単語数も1900語と充実しているので、この単語帳を仕上げれば準1級の単語を十分習得できると考えてよいでしょう。
準1級の空所問題対策として活用して欲しい教材が『英検準1級 出る順で最短合格!語彙問題完全制覇』となります。
こちらの教材では、準1級の過去の出題頻度に合わせて空所補充問題が掲載されています。実際の空所補充問題の形式に慣れつつ、効率よく問題演習を積み上げることが可能です。
パス単と合わせて活用すれば、空所補充問題で満点近く狙うことも十分できるでしょう。
準1級の過去問演習で活用して欲しい教材が『世界一わかりやすい英検準1級過去問集』です。
こちらの教材では、準1級の過去問の詳しい解説が掲載されています。問題の着眼点や使用されている文法事項など詳細に解説されているので、過去問を解いてそのまま終えることなく理解を深めることが可能です。解答解説が充実した過去問集を使用したい場合に、最適な教材といえるでしょう。
英文解釈の訓練を積む際におすすめの教材が『肘井学の読解のための英文法が面白いほどわかる本』です。
こちらの教材は大学入試用の英文解釈参考書となっていますが、英文解釈の基本を分かりやすく解説しているので、英文解釈に不安がある方でも無理なく使用できます。英文解釈で必要となる英文法・文型の知識が網羅されている点も、本教材の特徴です。長文読解の精度を高めたい場合は、この教材を活用して英文解釈の練習を積んでいきましょう。
武田塾EnglishのYouTubeチャンネルでも、英検準1級のリーディング対策におすすめな参考書を詳しく紹介していますので、受験する予定がある方はチェックしておきましょう!
では、英検準1級に合格するにはどれくらいの点数が必要なのか確認していきましょう。
英検準1級の合格点は、一次試験が「1792点」、二次試験が「512点」となります。
一次試験の満点が2250点、二次試験の満点が750点ですので、おおむね7割以上の正答率が合格ラインになると考えてください。
ただし、英検準1級の合格は必ず7割以上の正答が必要という訳ではありません。というのも、英検準1級では配点が公開されていないためです。
英検準1級の獲得点数は、「CSEスコア」と呼ばれる英語検定協会が独自で算出したスコアによって判定されます。このため、「○○問正解したら、必ず合格」と判断することが難しいのです。極端な例にはなりますが、一次試験のリーディングの正答率が40%〜50%でも一次試験に合格する可能性はゼロではありません。
とはいえ、正答率が高いことに越したことはありません。1問でも多く正答できるよう、準1級対策を積んでいきましょう。
英検準1級に臨むタイミングを測る際に活用して欲しいのが「英検バンド」と呼ばれる指標です。
英検バンドは、受験した級のレベルを基準として、どれだけ合格点を超えているか(もしくは下回っているか)を示しています。英検バンドは、「受験級のコード+数値」で表示されます。受験級のコード一覧は下記の通りです。
受験級 | 受験級のコード |
1級 | G1 |
準1級 | GP1 |
2級 | G2 |
準2級 | GP1 |
3級 | G3 |
4級 | G4 |
5級 | G5 |
バンドの数値は、1スコアあたり「25点刻み」となっています。
たとえば、英検2級を受験して合格した場合に、成績表の英検バンド欄に「G2+3」と記載されていたとすると、これは英検2級の合格点から「+75点(25点×3)」のスコアを取得できていることになります。
英検の級ごとにバンドの最大値・最小値は異なるため、厳密には同列には扱えませんが、ひとつの目安として「G2+10以上」のバンドを取得できている場合は、準1級にチャレンジする価値は十分あるでしょう。
もちろん、準1級に合格するためには準1級用の対策が不可欠です。「G2+10以上」の段階に達していない場合でも、準1級対策を積めば十分合格点を狙えます。英検バンドはあくまでも一つの参考値として考えておくのがおすすめです。
英検準1級の合格へのロードマップに関しては、下記の動画でも詳しく解説しています。こちらも合わせて参考にしてみてください。
英検準1級のリーディングは、2級のリーディングと比べて問題の難易度が各段に上がります。
「準2級→2級」に合格する感覚よりも、数枚壁があるイメージです。準1級に合格するためには、語彙力・長文読解・英文解釈の力を徹底的に高めていくことが重要です。
本記事で解説した勉強法・おすすめ教材を参考にしてもらい、準1級対策を進めてもらえると幸いです。
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