英検準1級の一次試験を突破したら、次は二次試験(スピーキング)です。
2級までは二次試験の難易度はそこまで高くありませんが、準1級になると二次試験の難易度が一気に上がります。
自由会話からナレーション、Q&Aなど幅広い形式でスピーキングを行う必要があるため、準1級の出題形式に合わせた対策が必須です。
そこで本記事では、英検準1級の二次試験(スピーキング)対策について詳しく解説していきます。準1級の二次試験対策でお悩みの方、実際の対策方法について知りたい方はぜひ最後までご覧になってください。
Contents
英検準1級の二次試験(スピーキング)の構成はこちらになります。
〜全体では3形式〜
①自由会話:面接委員と日常生活などについて会話を行う
②ナレーション:指示文・イラストの内容を説明する
③受験者自身の意見を問う質問:自分の意見を面接委員に説明する
〜 ③「受験者自身の意見を問う質問」〜
・イラストに関連した質問
・カードのトピックに関連した内容についての質問
・カードのトピックにやや関連した、社会性のある内容についての質問
〜問題での場面・題材〜
・在宅勤務、レストランでの喫煙、チャイルドシート、住民運動、キャッチセールス、護身術
〜試験の仕方〜
面接委員は1人で、個人面接の解答形式となります。スピーキングにおける主な評価項目は下記の通りです。
・ナレーション、応答の内容(リーディング)
・語彙、文法、語法、情報量(Q&A)
・積極的にコミュニケーションを図ろうとする意欲、姿勢(アティチュード)
一次試験と比較すると具体的に数値化しづらい評価項目となっていますが、基本的に面接委員の質問に対して正確かつスムーズに回答していくことが重要になります。
準1級二次試験(スピーキング)の流れは下記の通りです。
①入室:係員の指示に沿って、面接室に入る
②「面接カード」を渡す
③着席:面接委員の指示に沿って、着席する
④氏名・級の確認、簡単な質問:面接委員が指名、受験する級の確認を含めて簡単な質問を実施する
⑤「問題カード」を受け取る:面接委員から、指示文と4コマのイラストが印刷された「問題カード」が渡される
⑥ナレーションの考慮時間(1分間):面接委員から「問題カード」の指示文の黙読、ナレーション内容の作成を指示される。
⑦ナレーションの実施(2分間):面接委員から支持された後、「問題カード」の指示文に沿って4コマのイラストに関するナレーションを実施する。ナレーションの時間は2分間で、2分を過ぎるとナレーションの途中でも終了となる。
⑧Q&A:ナレーション終了後、面接委員が質問を行う。質問はNo.1~No.4まである。
⑨「問題カード」を面接委員に返却する
⑩退室
質問や説明はすべて英語で実施されます。
自然な流れであれば、質問を英語で聞き直しても減点にはなりません。ただし、不自然な形で聞き直しを求めたり、同じ部分を繰り返し聞き直すと減点対象となるので注意してください。
それでは各セクションの詳しい内容を見ていきましょう。
試験会場で受付を完了させたら、受験生専用の控室で待機します。
控室では後に使用する「面接カード」が配布されるので、待ち時間のうちに記入を進めてください。面接の時間が迫ってきたら、係員が面接室へ案内してくれます。その後、係員の指示に従って面接室へ入室しましょう。
入室する際はドアのノックを忘れずに行ってください。ノックして入室してからは、使用言語はすべて英語に変わります。
面接室に入ったら、控室で作成した面接カードを面接委員に渡しましょう。
面接委員の方から面接カードを渡すよう英語で指示が入るので、指示を受けたらカードを渡してください。
面接カードを渡したら、面接委員から着席するよう指示が入るので、指示に従って着席してください。
着席を促された際は「Thank you.」など応答してコミュニケーションを取りましょう。応答せずに黙ったまま着席してしまうと、コミュニケーション面で悪い評価が付いてしまう可能性が高いです。
着席した後、面接委員から氏名・級の確認が入ります。
質問を受けたら、英語でハキハキと答えましょう。また氏名・級の確認後に、日常に関する簡単な会話・質問が行われます。
この段階での会話・質問自体は採点には含まれません。ただ、その後の質問にスムーズに答えられるよう、声や舌を慣らしておくことが重要です。
日常会話が一通り終了したら、面接委員が「Let’s start the test.」など試験開始の合図をします。
合図が出てからは、発言やレスポンスはすべて採点対象です。合図後に面接委員が「問題カード」を渡してきます。カードを受け取る際も「Thank you.」などの応答を忘れないようにしましょう。
問題カードには、指示文とイラストが印刷されています。
最初はこの問題カードに掲載されている4コマのイラストを見て、イラスト内容に関して英語で説明(ナレーション)を行っていきます。問題カードにはイラスト内容の背景や冒頭文なども記載されているので、ナレーションを行う際に参考にしてください。
ナレーションの準備時間は1分間になります。1分間でナレーションの詳細をすべて考えるのは難しいので、ポイントを押さえて指示文・イラスト内容を把握することが重要になります。
まずは指示文を見て、イラスト内容の中心人物・話題を確認しましょう。指示文の第2文に中心人物・話題の情報が掲載されているので、確認してみてください。
中心人物・話題を確認したら、イラストを確認してストーリーの内容をチェックしていきます。イラストの内容は、大まかに下記の流れになっていることが多いです。
1コマ目:現代社会(日常生活)でよく見られる問題が発生する
2コマ目:問題を解決するために、中心人物が行動に移る
3コマ目:一度、問題は解決したかのような状態になる
4コマ目:ただ、問題の解決によって別の問題が新しく発生してしまう
ナレーション内容を明確にするためには、主語(「誰が」)・動詞(「何をする」)の部分を明確にすることが重要です。細かい描写に意識が向きやすいですが、まずは主語・動詞を明確にしてナレーションを組み立てましょう。
ナレーション準備の1分間が経過したら、面接委員からナレーションを始めるよう指示が入ります。ナレーションの実施時間は2分間です。2分経過したタイミングで、ナレーションが途中でも終了になります。
時間に余裕を持ってナレーションを完了させるためには、1コマあたり2~3文ほどでナレーションを行う必要があります。
またナレーションを始める際は、問題カードに記載されている冒頭文で始める必要があるので注意してください。基本的に冒頭文の時制は過去形となっているので、ナレーションの時制も過去形、もしくは過去進行形を使用しましょう。
ナレーションの内容は、下記の3段構成で話すとリズムよく進めやすいです。
・「誰がいつ、何をしたか」
・「誰が何と発言したか」
・「誰がどのように感じたか」
イラストの情報を参考にして、上記の内容をナレーションできるよう情報を整理しておきましょう。
ナレーションが終了したら、次にイラストに関連した質問が実施されます。Q&Aは全部で4つです。
傾向にはなりますが、1つ目のQ&Aは4コマ目のイラスト(新たな問題が発生した場面)に関して質問されることが多いです。
「もし自分が登場人物ならば、4コマ目のような問題が生じたときにどう思う?」などと英語で質問されるので、自分の考えを説明しましょう。考えを説明する際、まずは結論を1文目で述べてください。
その後、結論を補足する考えや具体例を説明していきます。英語は日本語と異なり、結論ファーストで話される言語です。先に具体例・理由を説明してしまうと、「結局何が言いたいの?」という状態になるので注意してください。
1つ目のQ&Aが終了すると、面接委員が問題カードを裏返すよう指示してきます。指示を受けたら、問題カードを裏返してください。2つ目以降のQ&Aでは問題カードを見ながら答えることはできません。記憶した内容をもとにして、質問に答えていく形になります。
2つ目・3つ目の質問では、問題カードの内容に関する受験者自身の意見が質問されます。
基本的に「Do~?」「Should~?」などYes/Noで答える質問がされますが、Yes/Noの後に理由や意見を述べる必要があります。自分の主観的な意見のみならず、客観的な意見や情報なども具体例として加えることで、説得力のある解答を組み立てることが可能です。
最後のNo.4の質問では、日常生活の社会性のある課題・問題について問われます。問題カードの内容とは関係のない質問をされることもあるので注意してください。
考えがすぐに思い浮かばない場合でも、何も言わずに黙ってしまうのは避けた方がよいでしょう。沈黙の時間が長くなると、質問内容を聞き取れていないと判断されてしまい、マイナス評価に繋がってしまいます。考えをまとめる最中は、「Let me see」「Well」「I mean」など間をつなぐ表現を口にするのがおすすめです。
単語や表現が分からない場合は、自分が知っている範囲内の語彙を駆使して説明してください。説明内容が丁寧であれば、専門的な単語・表現を使用しなくても大きな減点にはなりにくいです。相手に説明する姿勢を見せることも、コミュニケーション面での評価を高める上で重要になります。
Q&Aが終了すると、面接委員が「This is the endo of the test」など試験終了の合図を出します。
その後、問題カードを返却するよう指示されるので、カードを面接委員に渡しましょう。渡す際も「Here you are.」など言葉をかけて渡すようにしてください。無言で突き出すのはNGです。
面接カードを渡した後に、面接委員が「You may go now.」言いますので、この合図を聞いたら「Thank you.」と応答して退出しましょう。面接委員によっては「Have a nice day.」など挨拶してくれるケースもあるので、挨拶に応じて返答するようにしましょう。
退室後は面接室・控室に戻れないので、忘れ物をしないように注意してください。
二次試験当日に使えるテクニックとして、「自然な流れで質問内容を繰り返してもらう」ことが挙げられます。
準1級の二次試験では、面接委員の英語レベルも高くなるため、どうしても内容が聞き取れないケースも生じてきます。内容が聞き取れない場合は、面接委員に対して内容を繰り返し言ってもらうよう頼みましょう。
一度までの聞き返しは減点対象にはなりません。
内容を繰り返してもらう際は、単に「Pardon?」「Excuse me?」などと言うよりも、「Could you repeat the question again?」など丁寧な言い回しを使った方が好印象です。
英語には敬語がないと誤解されていますが、日本語ほどではないとしても丁寧な言い回しは存在します。「Could you~?」はお願いする際に利用する丁寧な表現ですので、面接試験の場で利用しても問題ありません。
ただし、再度質問を言ってもらう場合でも、別の単語や表現に変えてもらうことはできません。
あくまでも、一度目の質問をもう一回繰り返してもらうことになります。単語・表現の意味が分からない場合は、前後の語句などから判断して分かる範囲で答えるようにしましょう。
準1級の試験中にやってはいけない事として、「小声で話すこと」「沈黙すること」が挙げられます。
小声で話すと、面接委員が内容を正確に聞き取りづらくなります。
場合によっては「小声で話して、発音や単語をごまかそうとしている」と判断される可能性もあるでしょう。面接試験の場では、小声で話すことはマイナス評価にしかなりません。発音やアクセントに自信がない場合でも、ハキハキ・堂々と英語を話すようにしましょう。
また面接試験中に沈黙することもNGです。繰り返しになりますが、面接委員は「沈黙=質問内容を理解できていない、質問に答えることができない」と判断します。
自分の中では考えるために沈黙していたとしても、面接委員にその意図が伝わる保証はありません。解答内容を考えている際は、「Let me see.」など間を繋ぐ表現を必ず発するようにしましょう。
次に、準1級二次試験(スピーキング)対策でおすすめの学習法を紹介していきます。今回紹介する学習法は下記の3つです。
・話した内容を録音して発音・アクセント、内容の論理性を確認する
・講師・知人・友人などに面接委員役をやってもらう
・過去問演習を行う
ナレーションの練習を行う際は、話した内容を録音して発音・アクセント、内容の論理性を確認しましょう。特に内容の論理性に関しては、ナレーションの得点を大きく左右する部分ですので重点的にチェックしてください。
話している最中は論理的に組み立てているつもりでも、実際に聞いてみると内容が支離滅裂になっているケースも少なくありません。
結論ファーストで説明できているか、具体例や理由は適切であるか、ナレーションの内容として論理例が通っているか確認しましょう。
準1級の二次試験(スピーキング)でスムーズに英語を話すためには、実際の試験形式に合わせてスピーキング練習を行うことが不可欠です。
一人でのスピーキング練習では、どうしても本番さながらの状況を生み出しにくいです。通っているスクールや学校の講師、知人・友人などに面接委員役を頼んで、試験形式に合わせた練習を行いましょう。
二次試験の問題に関しては、市販の準1級二次試験対策の教本を使うのがおすすめです。問題形式に合わせた例題が多く収録されているので、ランダムにトピックを選んでもらってスピーキング練習を進めましょう。
※おすすめの教材に関しては、後ほど詳しく紹介します。
準1級の予想問題を解いて満足してしまう方が多く見られますが、過去問演習も必ず実施しましょう。
過去問と同じ問題が出題されることはありませんが、似ているテーマで出題されるケースは多いです。
また問題形式に慣れるという点でも、過去問演習は重要になります。予想問題の参考書を一通り解き終えてからで問題ありませんので、過去問演習も抜かりなく進めていきましょう。
次に準1級二次試験(スピーキング)の対策でおすすめの教材を紹介していきます。
今回紹介するおすすめ教材は『英検準1級 二次試験・面接完全予想問題』です。こちらの教材では、準1級の二次試験の形式に合わせた予想問題が掲載されています。
予想問題は全14回分あり、幅広いトピックの問題で練習を積むことが可能です。また本書では、英検の二次試験で役立つ豆知識が「ポイント」「注意点」という形で掲載されています。問題を解きながら、二次試験のポイント・注意点を把握できる点も本書の強みです。
また本書の予想問題で使用されているイラストは、実際の二次試験のイラストに似せて作成されています。参考書の種類によっては、本番の試験とイラストが似ていないものも少なくありません。
中には本番の試験のイラストよりも指示文による情報が掲載されすぎているものもあります。準1級のスピーキングで実践力を付けるためにも、本番の試験と似ているイラストを使用するべきです。この点、本書のイラストは本番の試験のイラストに限りなく似せて作成されているので安心して利用できます。
武田塾EnglishのYouTubeチャンネルでもこちらは紹介していますので、是非ともご覧ください!
準1級二次試験(スピーキング)対策を行う際に、実際の面接委員と同様にネイティブレベルの英語で質問して欲しい方も多いと思います。
知人・友人の方が英語に精通している方であれば問題ありませんが、英語が不得意な場合だと自分の発言内容に関して正確に評価してもらうのは難しいです。
そこでおすすめしたいのが、武田塾Englishになります。
武田塾Englishでは、英検に精通したアドバイザーが準1級の二次試験対策を行ってくれます。英語の発音やアクセント、言い回しなど細かい点もチェックしてくれるので、二次試験で高得点を目指したい場合にも最適です。
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準1級二次試験の合格点は、「512点」となっています。二次試験の満点は750点ですので、約7割が合格ラインです。
ただし、この「750点」の配点は公開されていません。英検では各級の一次試験・二次試験で「CSEスコア」が導入されています。CSEスコアは英検協会が独自に算出する点数です。試験の回ごとにスコアが変動するため、単純に正答数でスコアを算出することができません。
CSEスコアによって点数が変動する分、正答数が全体の7割を下回っている場合でも、準1級に合格するケースもあります。反対に、一部のセクションで極端に点数が悪いと、全体の正答数が7割を超えていても不合格になる可能性もあります。
総じて言えることは、「得点が多いことに越したことはない」という点です。まずは面接委員の質問に対して円滑に答えられるよう訓練を積みましょう。予想問題・過去問題に掲載されている質問内容・テーマを参考にして、英語で説明する練習を毎日積んでください。面接役の人が確保できない場合でも、録音機能などを利用して練習量を確保することが重要です。
英検準1級の二次試験(スピーキング)を突破するためには、準1級の問題形式・難易度に合わせた対策が必須です。
まずは本記事で解説した準1級二次試験の流れを把握してもらい、各問題形式に合わせて対策を進めていきましょう。
準1級の二次試験対策では、武田塾Englishの受講がおすすめです。武田塾Englishでは、英検に精通したプロのアドバイザーが二次試験対策を行ってくれます。
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